令和7年度とうきょう すくわくプログラム活動報告書
| 幼稚園番号 | 1573411 |
| 園名 | 鶯谷さくら幼稚園 |
1.活動のテーマ <テーマとその設定理由> 5歳児
色の世界を楽しもう:昨年度から、レゴブロックで作ったコマを回すと色が混ざって変化する様子に興味を示していた。そこから、色ラップ、絵の具などを使い、また、子どもたちの興味・関心の広がりに応じて、いろいろな物、例えば、国旗、葉っぱなどの色についての探求を始めた。
2.活動スケジュール
4月~7月:レゴブロックでコマを作り、色の配置で、回った時の色の変化に気づく。 色ラップを何色か用意し、重ねてみることで色が混ざって他の色になることを知り、様々に組み合わせて色を作った。絵の具の量の配分で色が変わることを経験し、お泊まり保育の牛乳パックを使ったランタン作りに応用した。
9月:栽培していたトウモロコシの葉を絵の具の白と緑で再現する。それぞれの絵の具をどのくらいの分量にするか試行錯誤した。そこから、地球儀を見て、地球は陸地(緑)が30%、海(青)が70%であることを知り、絵の具の緑と青の量を配分しながら自分の地球を描いた。そして、4~5人のチームを作り、チームで相談して一つ地球の絵を描き、運動会のダンス衣装のTシャツの前の部分の原画とした。
9月~1月:運動会で万国旗を描くことになり、一人1か国を選ぶ。描いているうちに国旗に使われている色について、それぞれの国で意味があることを知った。他の人の国旗を見て、担任と一緒に国旗の本を調べて、同じ赤でも国によって意味が違うことに気づいていった。帰りの会などで、国旗とその色の意味を紹介する時間を作った。そこからその国は、どこにあるのか、大きな世界地図を用意し、場所を探し、国名を英語ではどう発音するのかを英語活動の時間に講師に教えていただいた。(1/28)日本語の発音に近いものや全く違うものなど、驚きながらの学習であった。
10月:カラーチャートを導入し、拡大カラーコピーをして、園庭でも使えるように掲示し、園内の葉、しいのみ、みかん、花の色など、いちばん近い色を探して名前を知った。同じ緑でも、若草色、モスグリーン、鶯色などまだ知らなかった緑の世界を広く、深く知った。どんぐりをよく観察して、どんぐり=茶色ではないこと、一つのどんぐりの中でも色が違う部分があること、どんぐりの種類によって微妙に色が違うことなど、細く観察していった。
11月:ナチュラリストとの活動でクロロフィルを知った。葉緑素ともいわれ、葉っぱの緑色を作り出していること、それがなくなってくると黄色や赤、そして茶色になって、葉が枯れていくという循環を知った。園庭の葉っぱを集めてきて、色のグラデーション(円環)を作ることで、同じ「緑」でも変化に富むことに気づいた。
3.探究活動の実践<活動の内容>
- 子どもたちのレゴのコマの回転から始まった色の探究だが、絵の具の混色だけにとどまらず、地球の色(海と大陸の割合)、国旗の色、クロロフィル、色の細かな名前(特に同じ緑でもいろいろな緑があること)など、次々に子どもたちの世界が広がっていった。そこで、製作に必要な絵の具類だけではなく、世界地図、日本地図、色の図鑑、国旗の本、カラーチャートなど、担任も一緒に学ぶことで探究が深まった。
- 葉っぱのグラデーションを作りながら、クロロフィルがなくなっていくと色が変わって、枯れ葉となるという説明を聞いたときに子どもが「クロロフィルはどこへいっちゃうの?」と聞いた。幹の中に戻っていくと言う説明にとても不思議そうな顔をしていた。また、「どんぐりはなぜ丸いの?」という質問が出て、「落ちて遠くへ転がって、親の木の外に出て、お日様を浴びるため」と言う説明を聞いて、クラスの集まりの際に、四角の積み木とクヌギの丸いどんぐりを落として、どのように転がるか試してみた。この2つは年長組から出た質問だったが、年中・年少(満3歳含む)にも伝えられた。年少の子どもたちからは出てこない質問だったが、全学年で共有することでより、興味関心が高まった。

カラーチャートをみて色発見
園庭で落ちている葉っぱや木の実を、カラーチャートに当てて比べてみて何色か探しています。探す中で、葉っぱは表と裏で色が違うことなど、新たな発見もたくさんありました!

ナチュラリストと緑のグラデーション
園庭に落ちている木の葉を拾って来て、緑色~褐色のグラデーションになるよう、円環に並べます。クロロフィルの行方も考えます。
4.振り返り<振り返りによって得た先生の気づき>
- 今回のすくわくプログラムでいちばん心に残ったことは、担任自身がとても興味を持って、カラーチャートを自ら購入するなど、子どもと一緒に次々にあらわれる子どもの色の世界に没入していったことである。国旗の赤一つとっても、ある国では情熱、ある国では犠牲者の血の色と意味があることは大人の教職員でも知らなかったことである。また、クロロフィルが冬は幹のなかに戻っていく話など、初めて聞くことであり、それ以来、園庭の木々を見上げる度に、クロロフィルの行方が気になる昨今である。大人も夢中になって取り組んでこそ、子どもたちも探究の世界に没入できるのではないだろうか。また、子どもの興味・関心の広がりをうまく捉えて、環境を用意することで、このように色から国旗、世界地図、自然の色などへ探究が広く、深くなっていくことを実体験した活動であった。
令和7年度とうきょう すくわくプログラム活動報告書
| 幼稚園番号 | 1573411 |
| 園名 | 鶯谷さくら幼稚園 |
1.活動のテーマ <テーマとその設定理由> 4歳児
音を楽しむ-2 リズムを楽しもう:この学年は去年のすくわくプログラムで「音を楽しむ」として、主にパーカッションを中心に活動した。今年度はそれをさらに展開してダンスのリズムを探求することにした。
2.活動スケジュール
1学期は主に普段の保育の中で、歌やリトミックを楽しんでいた。
10月以降は、リトミックの先生と相談して、いろいろなダンスのリズムを紹介していただいた。
10/27 Tango Blue Tango アルゼンチン
11/14 Jazz One the Sunny Side of the Street U.S.A
1/26 Charleston 5匹の子豚とチャールストン サウスカロライナ州チャールストン
2/10 民謡 東京音頭 日本
1/20 ダンスレッスンの時に「ダンスで巡る世界一周」と題して、いろいろなダンスを紹介いただいた。
HipHop (U.S.A)-Hula(Hawaii)-Salsa(Mexico)-Berry Dance(Egypt 蛇の動き)― 動物の動き(Africa Musical Lion Kingより)―お辞儀、忍者、ねぷたの跳人(ハネト)、歌舞伎の見得などの動き(日本)
最後に銀河鉄道999にのせて、今までのダンスをひとめぐりして世界一周する。
1/28 さらに英語活動ではダンスで取り上げた国など、国旗カードを使い、世界地図の上でその国を見つける活動を行った。日本語の発音に近い国(Mexico, Egypt)と全く違う発音の国(United States of America, United Kingdomなど)があることに驚いた。
2月~3月 3月7日(土)の生活発表会に向けてダンスを織り込んだ創作劇を上演した。まず、子どもたちが創作劇のストーリーを作る。担任の「あるところに動物がいました」をきっかけに一人一文ずつ話をつなげていき、リス(ハワイ-フラダンス)、パンダ(日本-東京音頭)、サル(アメリカ-HipHop)、ライオン(南アフリカ共和国-ライオンキング)が出てきて、その国のダンスを踊り、みんなでキャンプに行くという創作劇ができあがった。
3.探究活動の実践<活動の内容>
- 子どもたちは紹介されたダンスのいろいろなリズムを面白がり、かっこいいHipHop、おかしなくにゃくにゃした蛇の動き、ミュージカルで知っているLion King、また5匹の子豚のチャールストンはリズムが気に入ったようで、部屋に戻ってからも口ずさんでいた。毎日の保育のちょっとした場面、集まりの前や身支度の間のBGMとして「曲をかけて!」と言って、踊っていた。
- 英語活動ではダンスで取り上げた国などを紹介いただいたこともあって、「英語で言うと?」というレッスンはとても興味があり、覚え、互いに言い合って、忘れているところを補いながら言い合っていた。保育室でも国旗カードを印刷して、振り返りを行った。
- 生活発表会での動物やダンスは、子どもたちが、自分で選んでチームを作り、そのチームごとに動画を参考に、より近くなるよう練習していった。リスがドングリを回しながら食べる様子やパンダが足を投げ出して笹を食べる様子、ダンスもどこを気にしながら踊るかをいうことをチームごとに動画を見ながら、相談していった。発表会当日も、動物たちの代表する国の国旗をステージ上に掲げた。
- 担任自身が子どもたちと一緒にダンスを楽しんでいる様子が子どもたちにはより嬉しいことであっただろう。

麦ぐみの英語活動
英語活動で国の名前とその位置は?先生の横に大きな世界地図があります。この地図を見ながら、国の名前を英語で言い、どこにあるかを探しました。

リトミックで東京音頭
クラスを半分に分け、丁寧にリズムを体験しました。どこかで聞いたことがあるよね、自然と体が動く!
4.振り返り<振り返りによって得た先生の気づき>
- 去年からの音楽のつながりという点と、昨年度2月の節分の赤鬼と青鬼のタンゴをとても気にったところから、ダンスのリズムをテーマにしたが、担任もダンスについては日頃から興味を持っていたので、子どもと一緒に新しいリズムを楽しむことができた。この担任が楽しむ様子が子どもたちにも良い影響を与えたようで、この部屋ではいつもにぎやかな笑いに満ちたダンスの時間が流れていた。
- しかし、一方でBlue Tango、On the Sunny Side of the Streetなどは、保育室ではあまり長くは継続できなかった。「鑑賞曲」としては良いが、子どもたちが楽しめるダンスではなかったということであろう。日本の東京音頭は生活発表会の創作劇でも使われたが、子どもたちの近隣の夏祭りの盆踊りでなじみがあったのだろうと思われる。まずは、「鑑賞曲」としてであっても、子どもたちの日常にいろいろなリズム・曲(クラシックも含めて)が環境としてあることが大事ではないかと気づいた。
令和6年度とうきょう すくわくプログラム活動報告書
| 幼稚園番号 | 1573411 |
| 園名 | 鶯谷さくら幼稚園 |
1.活動のテーマ <テーマとその設定理由> 3歳児
自然で遊ぼう:当園では、園庭に大きな気が何本もあり、さらに花壇の花、栽培している野菜などの自然に恵まれた環境にある。入園当初から、木々や花壇の花の移り変わりなどに気づいて触れてきた。秋以降、くぬぎやしいのみなどのどんぐりなどを使って遊ぶことも含めてテーマとした。
2.活動スケジュール
・入園~1学期:自由に遊ぶ時間に花壇の花を植える先生たちを手伝ったり、自分たちの夏野菜(キュウリやトマト)の生長を楽しみに、水やりをしたりしていた。きゅうりは豊作でその都度塩もみにしてお弁当時に食した。
・5月連休時の大型伐採の様子は、伐採した枝は工場へ運ばれバークたい肥になることを写真付きで園だよりで伝えた。バークたい肥も購入し、展示し子どもたちにや保護者にも説明した。
・9月以降 園庭にくぬぎやしいのみのどんぐりが落ち始めると、自分の外用のカバンを作り、自然ものものを集めて、それらで遊んで楽しんでいた。保護者にも協力を仰ぎ、家庭の近くの公園などで、いろいろの種類のどんぐりや木の実を集めていただいた。種類によって色や形が違うことに気づいた。箱の中に画用紙を入れどんぐりに絵の具をつけて転がすとどんぐりの種類によって、動き方が違って異なった線ができるのに気づいた。空き箱で迷路を作って、どんぐりをビー玉のようにして遊ぶ、画用紙の下に葉っぱを置いてフロッタージュするなどの製作活動も行った。
・11/20 ナチュラリストによって、クロロフィルの話を聞き、緑の葉のグラデーションを作って葉っぱの緑色も微妙に違っていることに気づいた。また、松ぼっくりを使って足のサイズを測る「足のサイズは何ぼっくり?」、松ぼっくりをアケビの蔓で作った輪っかに投げ入れる輪投げ、葉っぱの中に隠したどんぐりを手で触って当てるクイズなど、自然物で遊んだ。
・12/6 「子どもの姿紹介展」では、クラフトボックスの蓋の上に紙粘土をおき、手形をつけ、どんぐりを飾る「宝箱」を作り、中に園庭で拾った宝物を入れて展示した。
・その後、自分たちで「自然の中で宝探し」をして、「とげとげしたもの、丸いもの、白いもの、赤いもの」を見つける。「この葉っぱはとげとげしている」「じりじりといっている」「この木、音がする」、「お花が落ちてた、枯れたの?」「集めたい」「池、凍っている」「葉っぱが埋まっている」など、見つけた物を言葉にして伝え合う姿が見られた。
・11月~2月 冬野菜のかぶの種を蒔き、葉っぱはふりかけにかぶは味噌汁にしてお弁当時にいただいた。年中組の麦ぐみにちなんだ麦の栽培に臨み、種植え、麦踏みを年中組と一緒に行なった。麦踏みの意味を伝えたが、育っている麦を踏むことには大いに躊躇する子どもたちだった。
3.探究活動の実践<活動の内容>
- 園庭で見つけた物を入れる自分用のバッグを作って、外あそびの際は持ってでかけた。
- 園内のしいのみ・クヌギ以外のどんぐりや木の実も保護者の協力によって、たくさん集まった。
- どんぐりを転がして線を描く活動では、「丸いのがいちばん転がる、細いのはどこに行くかわかんない、ロケットみたい、小さいのは早い」など観察したことを言葉にして伝えていた。フロッタージュでは、集めた葉っぱについて、いろいろな発見があり、「葉っぱ、パリパリしてると割れちゃう」「緑のは割れない」「魚に見える」など自分たちの発見をお互いに伝え合っていた。そこには担任の促し(どんな感じ?)や仲介があって成り立つ対話でもあった。
- ナチュラリストによって、松ぼっくりやどんぐりを使った遊びが紹介され、自分たちでは思いつかなかった遊びができた。
- 宝箱製作は、「子どもの姿紹介展」を見た保護者からは「この園ならではの宝もの」と言うコメントがあった。

どんぐりに好きな色の絵の具を付けて、箱の中で転がして遊ぶ。かしのみは、細かいなみなみの線、まてばしいは、途中まで横長の太い線、くぬぎはたくさん転がるからやりやすいと、子どもたちが自分たちで発見して楽しんだ。

・正面が足の大きさを松ぼっくりで測る「あなたの足、何ぼっくり?」
・右奥がアケビのつるで作った輪っかに松ぼっくりを投げ入れる輪投げ
・左奥は写真にはないが、段ボール箱に落ち葉と何種類かのどんぐりを入れて手で触って名前を当てるクイズ
4.振り返り<振り返りによって得た先生の気づき>
- ただ、そこに自然があるだけでは見て終わりだが、それを使って遊びにし、何度も挑戦して遊び込んでいくことによって、子どもたちからも自分の言葉による感想が聞かれるようになった。個人個人の感想を言葉にし、子どもたち同士で伝え合うには、担任の援助が欠かせないと感じた。「それでどうだった?」「○○ちゃんもその葉っぱのこといってたよ」など、見たことを言葉にする援助や共通することを見つけて子ども同士を繋ぐなど、担任の媒介によってさらに深まっていった。ますます、自然に興味を持ち、葉や花だけでなく、池の水が凍ることにも気づいて、年長の子どもたちが池の場所によって氷の厚さが違うことなどを発見した時など、年少の子どもたちも回りで見ていて、氷に触らせてもらったりした。同じことを見ても、疑問や関心点などが違うので、小グループで活動していても、同学年、さらに他学年とも得たことを共有することが大事であると気づいた。
- 花や野菜を育てることに関して、土の中はどのようになっているのだろうかという問いを設定して、チューリップの球根はプランターで栽培し、ヒヤシンスは水栽培することで、根っこの成長に気づく体験をした。
- 私たち教員が、そこにある物として当たり前として見過ごすのではなく、自分たちも「これは何?」「どうしてだろう」と不思議がることによって、子どもたちにも広く「探求のための環境」としての意味を持つ設定に出来たのではないかと考える。
- また、ナチュラリストの話を聞いた後、私たち教員の中にも園庭の木々を見上げ、紅葉し落葉していく様子をクロロフィルの移動!と見たり、クヌギを見て「なぜ上の方の葉は落ちているのに、下の葉は落ちないのだろう」と思ったりと、今まで目にも留めていなかったことを不思議がる「探求の目」が育っていることを実感している。